インスタイルグループのアパレル部門「INSTYLE APPAREL」

インスタイルグループ広報のやまだです。

インスタイルグループにはINSTYLE APPARELというアパレル部門があります。
先日オフィスカジュアルを教えてもらいに行ったマリンフランセーズをはじめ、レディースブランドのNIMES、レディースシューズブランドのAKAKURAなど、様々なアパレルブランドがこの1年間でグループインしました。

コレクションブランド「DIET BUTCHER SLIM SKIN」の深民さんにお話を聞きに行きました

その中のひとつ、「DIET BUTCHER SLIM SKIN」は唯一のメンズブランドであり、INSTYLE APPARELの中で一番最初にグループインしたアパレルブランド。
パリやシンガポールで開催されたメンズコレクションにも参加したコレクションブランドですが、創立者でありデザイナーである深民さんの情報はあまり出ておらず、謎に包まれています。

そんな「DIET BUTCHER SLIM SKIN」の社長でありデザイナーでもある深民さんにインタビューにいってきました。
DIET BUTCHER SLIM SKIN
深民尚が2002年に日本で立ち上げたファッションブランド。
コレクション発表では、ファッションアイテムだけでなく演出や音楽にもこだわり、個性的な演出で独特の世界観を作り出している。
2012年にはシンガポールのメンズコレクション「MENS FASHION WEEK 2012 SINGAPORE」、2014年にはパリのメンズコレクション「2014 AUTUMN-WINTER Paris Mens collection」に参加をするなど、世界でも注目されているブランド。
やまだ

インスタイルグループ広報 やまだ

深民さん、こんにちは。
今日はよろしくお願いします。

DIET BUTCHER SLIM SKIN 社長兼デザイナー 深民さん

お願いします。
きちんとお話をするのは初めてですね。

深民さん
やまだ

やまだ

そうですね。

DIET BUTCHER SLIM SKINは2002年設立、今年で設立から17年とのことですが、17年間も洋服を作り続けているなんて本当にすごいです。

深民さん

いえいえ。
チームのみんなとお客様に助けてもらいながら、ここまでやれてこれたって感じですね。

深民さん
やまだ

やまだ

好きなことだとしてもこんなに長く続けられることって少ないと思います。

深民さん

そうですね。
洋服も好きですけど、音楽や映画も好きで、その好きなものから受けた感性を表現として落とし込めるのが洋服かなと思っています。

ご飯を食べていても夢の中でも洋服のことを考えていますし、天職だと思います。

深民さん
やまだ

やまだ

夢にまで出てくるんですか…!

夢にまで出るとは…!

深民さん

はい。
色を選んでる夢とか見るんですよね。
赤にしようかな、とか、オレンジにしようかな、とか。
それで赤色を使ってみたりもします。

深民さん
やまだ

やまだ

赤色を選んだ夢を見て、ということですか?

深民さん

そうですね。
見た夢がなんとなく残像で残ってて、「赤を選んでた気がする…」と思い出して赤を使ってみたり。

深民さん
やまだ

やまだ

なんかお告げみたいですね…!

深民さん

まあ毎回それがあるわけではないですけど、夢にも出てくるくらい洋服のことばかり考えてます。

深民さん
やまだ

やまだ

深民さんはオフの日はいつも何をされているんですか?

深民さん

日曜日が4回あるとしたら、2回は映画、2回は古着屋巡りとかかな。

何かしら頭に刺激を受けられるようにしています。
絵や写真を見に行ったりとか。

深民さん
やまだ

やまだ

すごくアクティブなんですね。

深民さん

何かしらインプットしないとって思っちゃうんですよ。

「何か見たい」とか「刺激を受けておかなきゃ」という考えが常に頭にあるので、休んでる場合じゃないでしょって思っちゃう。

深民さん
やまだ

やまだ

ストイックですね…!

ちなみに月に2回程度映画に行かれるとのことですが、一番好きな映画は何ですか?

深民さん

好きな映画はいっぱいあるので一番好きな作品は選べないんですけど、一番印象に残ってる映画は『カッコーの巣の上で』ですね。
一番残像として残ってて印象的なんです。

深民さん
※『カッコーの巣の上で』は、1975年のアメリカ映画。 原作はケン・キージーが1962年に発表した同名のベストセラー小説。精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みる物語。

19AWコレクション “rhapsody, one” は様々な業界の方との狂想曲

やまだ

やまだ

いつも洋服のデザインはどのようにされているんですか?

深民さん

頭の中で構図を考えて、こんな感じで絵型に落としてます。
これは先日発表した19AWのアウターのものです。

深民さん
実際の絵型を見させていただきました
やまだ

やまだ

デッサンは書かれないんですね。

深民さん

前は書いていたんですけどね。

言われてみれば、最近は頭の中で構図を考えて絵型にしちゃうことが多いなあ。
次のシーズンはまたデッサンからやってみようかな。

深民さん
実際に完成したアウター(19AW “rhapsody, one”)

深民さん

19AWコレクションのテーマは”rhapsody, one(狂想曲)”なんですけど、前の発表(19SS)が終わっていろいろインプットしている時期に、帽子を作っている方や、着物屋の方など、様々な方とお話する機会があったんです。

お話する中でそれぞれいろいろな考えを持たれているなと感じ、今回は縁あって様々な方とコラボレーションをさせていただくことになりました。
彼らが考えているものを僕が形にしたり、逆に僕が考えていることを彼らに形にしてもらったり…。

それがセッションみたいでかっこいいなあと思って。

深民さん
やまだ

やまだ

セッション…確かに…!

深民さん

今回6ブランドくらいコラボさせてもらっているんですけど、アイテム同士の組み合わせであったり、彼らと一緒に作る洋服が複数の楽器から生まれる狂想曲のように感じて、“rhapsody, one” をテーマにしました。

深民さん
やまだ

やまだ

6ブランドとコラボってなかなかないですよね。

深民さん

そうですね。
帽子や着物、靴、ディフューザーも作らせてもらいました。

19AWでは靴はオリジナルで出していなくて、別注でフランスのブランドさんと一緒に作らせてもらったんですけど、コラボを久しぶりにやったので楽しかったです。

深民さん
やまだ

やまだ

別の業界の方とコラボをしてみて、刺激的なことはありましたか?

深民さん

和装業界の方からは特に刺激をいただきましたね。
和服と洋服って作り方も全然違いますし。

『鯨尺(くじらじゃく)』って言葉知ってます?

深民さん
やまだ

やまだ

いえ、初めて聞きました。

深民さん

和装業界ではセンチではなく鯨尺という単位を使うらしいんです。
たまたま頂いた資料の中で鯨尺という単語を見つけて、「日本人なのにその単位知らない!」って思って調べてみたら、昔から和装の世界ではこの単位を使っていたみたいで。

「これだけ常識が違うんだ」と思って新鮮でした。

深民さん
やまだ

やまだ

確かに、洋服と和服では全然違いますもんね。

深民さん

あとはなにより、和装業界の方の、他の業界の方と積極的に絡もうとする柔軟性がすごく勉強になりましたね。

コラボをお願いしたとき、正直断られるかなと思ったんですけど、「是非洋服と和服のコラボ商品を出しましょう!」といった反応で、むしろ彼らの方が前向きで驚きました。
それで今回、浴衣と羽織を一緒に作らせていただきました。

深民さん
浴衣と羽織(19AW “rhapsody, one”)

19SSコレクション “Forbidden Fruit” はバーの暗がりで見た果実から得た着想

やまだ

やまだ

いつも洋服をデザインするときは、どこかからインスピレーションを受けて頭の中で構図を作っていく感じですか?

深民さん

そうですね。
でも毎回毎回それができる訳でもなくて、全然アイデアが湧いてこないこともありますし、毎回半年の戦いがありますね。

授かりパターンもあれば、求道者のように行っても行っても出てこないこともあります。

深民さん
やまだ

やまだ

今まで深民さんが見たものや聞いたものなど、頭の中に入っているものの中からアイデアが出てくるようなイメージですか?

深民さん

そうですね。
頭の中に既に入っている音楽や映画を、脳の中でジョイントして、ブラッシュアップしたものがペンにのっているのかな。

深民さん
19SS “Forbidden Fruit” より

深民さん

19SSは授かりパターンですね。

確かバーだったと思うんですけど、暗がりにリンゴなどの果実が入った籠が置いてあったんですよ。
暗闇に光った果実をお酒を飲みながら見てて、それがすごくエロティックなムードだし色がきれいでいいなと思って、その残像が頭に残っていたんです。


19SSの生地を選ぶときにツヤ感のあるものを選んでいたり、色がこれくらいのるんだろうなとか想像してちょっとエロイなとか考えたり、選んだ色がボルドーだったり。

だんだん生地の選び方が残像に寄っていって、「これなんだったっけな?」って考えてみたら「あ、あの時の果実かな」って気付きました。

深民さん
やまだ

やまだ

19SSコレクションはHPにストーリー調の文章が載っていますが、あれは後から落とし込んだんですか?

深民さん

はい、洋服を作ってから文章に落とし込んでいきました。

僕はどちらかというと喋ることが得意ではないので、いつもは洋服に落とし込んで物語は完成なんですけど、このコレクションはちゃんと言葉にした方がわかりやすいなと思って、文章に落とし込みました。

深民さん
やまだ

やまだ

ストーリーに落とし込んだのは19SSコレクションが初めてですか?

深民さん

詞のような形に落とし込んだことはありますが、ストーリーに落とし込んだのは初めてですね。

深民さん

着る洋服はその人の意思 意味のない洋服は作らない

やまだ

やまだ

映画や音楽から影響を受けた経験が多いんですか?

深民さん

はい。
一番強いのはUKロックの音楽ですね。
一番影響を受けたUKロックの世界観がバックボーンとなってDIET BUTCHERの世界観にも強く出ているんですが、今はなんとか崩したいと思っています。

味といえば味なんですけど、「今の時代もっと柔軟じゃないと」とも思うので、難しいです。
味がいいパターンと、それを変えられる強さ。
脳内で格闘中です。

深民さん
やまだ

やまだ

UKロックは昔からお好きなんですか?

深民さん

そうですね。
中学生のときにビートルズを知り、そこからUKロックが好きになりました。

ローリングストーンズや、セックスピストルズ、ザ・スミス、ジザメリ(ジーザス&メリーチェイン)…。
とにかくUKの音楽をよく聴いていました。

深民さん
やまだ

やまだ

好きな音楽は今でもロックやパンクが多いんですか?

深民さん

最近はヒップホップ、ハウス、レゲエなんかも聴いています。
良いと思う音をなんでも広く聴くようになりました。

深民さん
やまだ

やまだ

自分の好きなアーティストが着用しているアイテムをチェックしたりするんですか?

深民さん

はい。
彼らが着用している洋服に音楽が宿ってるような気がしているんです。

深民さん
やまだ

やまだ

音楽が宿っているというと?

深民さん

アーティストはみんな思いを持って洋服を選ぶから、音楽と洋服はすごく密に接していると考えています。
なので意味のない洋服を作りたくないんです。

特にグラフィックものの洋服ってその人の意思が反映されていると思うんですよ。
だからどういう意思でこれを着ているのか解読したくなる。

うちのTシャツとかもライブで着てもらっていたりしますし、自分が洋服を作るときもレターはこれで大丈夫かな、とか無意味じゃないものを出さなきゃな、とか考えながら作るようにしています。
意味のないレターは載せたくないんです。

深民さん
やまだ

やまだ

なるほど。
例えば19SSコレクションのスカーフに “SIND MENSCHEN BLUMEN?” というレターがありますが、これはどういう意味なんでしょうか?

深民さん

ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスというアーティストの “Findet Mich das Glück?(幸福はぼくを見つけてくれるかな?)” という作品集で見かけた言葉なんですけど、「人生は花みたいかい?」という意味のドイツ語です。

深民さん
やまだ

やまだ

ドイツ語なんですね!

深民さん

はい。
あれレターが英語になって”LIFE”とか”BEAUTY”のような単語が入ってしまうと美しくないと思っていて。
読めない人が多くて、僕だけ知っているっていうのがいい。

フランス語も考えたんですけど、グラフィック的にちょっと微妙なのと、ドイツ語のかたい感じがよくて “SIND MENSCHEN BLUMEN?” にしました。

深民さん
やまだ

やまだ

言語までこだわられているんですね…

深民さん

グラフィックで変えたりしてますね。
自分が着た時に気恥ずかしくないようなグラフィックをフィーリングで選んでいます。

深民さん
“SIND MENSCHEN BLUMEN?” のレターが入っているsilk scarf(19SS “Forbidden Fruit”)

洋服は着心地がいいことが全てではない

やまだ

やまだ

近頃はファストファッションが流行り、低価格で良質なものが買える時代ですが、深民さんにとって洋服とはどのようなものか教えてください。

深民さん

最近は低価格なものでも着心地が良い洋服が多いですよね。
僕はあまり着ないんですけど、あれはあれでひとつの洋服の在り方として成立しているので良いと思います。

でも、僕の中で洋服は着心地がいいことだけが全てじゃないと思っているんですよね。

深民さん
やまだ

やまだ

着心地だけが全てじゃないというのはどういうことでしょうか。

深民さん

そもそも僕が洋服を好きになったきっかけが、拘束具をモチーフとしたデザインの洋服なんです。
ボンデージパンツとかボンデージジャケットなどの、拘束具をモチーフとしたデザインを気に入って洋服を好きになった影響から、洋服は着心地がいいことが全てではないという考えが僕の中にあるんです。

なので、洋服は多少不便でもデザインが成立しているのならいいんじゃないかなと思っています。

深民さん
やまだ

やまだ

確かに、先程絵型を見せていただいた19AWのアウターも拘束具のモチーフが入っていましたね。
DIET BUTCHER SLIM SKINの洋服はそういったデザインや、アシンメトリーなデザインなど、着心地のみを重視した洋服は少ない印象です。

最近流行しているファストファッションの業界では着心地を重視したアイテムを目にすることが多いですが、深民さんにとっては着心地よりもデザインとして成立しているかどうかが重要ということなんですね。


本日は貴重なお話をありがとうございました。

深民さん

ありがとうございます。

深民さん

まとめ

今回DIET BUTCHER SLIM SKINの深民さんにお話を伺いに行き、深民さんの洋服に対する思いやデザインのこだわりなど、様々なお話を伺いました。
深民さんの思いが詰まったDIET BUTCHER SLIM SKINの洋服は、オンラインストアにてご購入いただけます。

DIET BUTCHER SLIM SKIN

HP: https://diet-butcher-slim-skin.com/
インスタイルグループ広報やまだ

経営コンサルティング、投資、飲食、美容、アパレル、ITなど様々な企業で構成されているインスタイルグループの広報担当。「何とかなるっしょ」というスタンスでここまで生きてきました。クレヨンしんちゃんが人生のバイブル。

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